夫婦の愛情がないのに離婚しないのはなぜ？愛情を取り戻す方法

世の中のすべての夫婦が相思相愛かと言えばそうではありません。中には愛情がないのに別れずに円満夫婦を装っている仮面夫婦もいます。

そもそも仮面夫婦という夫婦の形を世間はどう思うでしょうか。「愛情がないなら別れればいいのに」と思う人がほとんどでしょう。しかし、仮面夫婦にもそれ相応の苦労や悩みがあるのです。

愛情がないと感じてしまう原因はさまざまありますが、大きな原因は「怠惰」ではないでしょうか。仕事や家事で追われる日々を送っていればコミュニケーションやスキンシップは二の次になり、忙しいことを理由に夫婦の時間をないがしろにする人は少なくないでしょう。

また、相手の考えや気持ちに応えるのが面倒だと感じて、自分の価値と合わない場合に相手の否定して自尊心を傷つけるような言葉を浴びせる人もいます。相手を大切にしない言動が多い夫婦関係は長く続かないでしょう。

愛情のない仮面夫婦の場合「おはよう」「いってきます」「ありがとう」などの挨拶は基本的にしません。会話は、生活費の支払いや子供の学校行事への参加など「して欲しいこと」ではなく「しなければいけないこと」を必要最小限に伝達するだけで相手に何かを求めることもしないのです。

仲の良い夫婦ならスキンシップは嬉しいはずですが、仮面夫婦は愛情がないためスキンシップを避けたがります。何かの拍子で手が触れてしまっただけでも嫌悪を覚える人もいるようです。

仮面夫婦は相手の行動や気持ちに無関心になります。「何を食べたか」「誰といるのか」などまったく気にならないので、喧嘩すらもすることがありません。仮面夫婦とバレずに体裁を保つことができればそれでもいいのです。

夫婦の愛情がないのに離婚しないのは子供のためという方が大半ではないでしょうか。片親だと愛情不足になってしまったり、親が離婚したショックで精神的に不安定になってしまう子供もいます。子供が自立できた時に仮面夫婦を止めて離婚に踏みきる人が多いようです。

離婚をすると親や親戚に迷惑や心配をかけてしまうため、愛情がなくても離婚せずに仮面夫婦を演じて夫婦生活を送っている人もいます。「親が高齢のため精神的に弱らせるような報告をしたくない」「世間の目を考えると家族の肩身が狭くなってしまうのでは」などと周りへの影響を懸念してしまうようです。

愛情がない状態で一緒に生活をしていても不便がないから離婚しないと答える人もいます。完全に他人という認識のため家賃や光熱費を折半しているケースも多いようです。会えば感情的にはなるけれど、金銭的な負担は軽いし、自由を拘束されるわけでもないし体裁も守れるということで離婚しないのでしょう。

「夫婦の愛情を取り戻したい！」と血気盛んに、なんの前触れもなく突然熱烈なキスやハグをしたら相手は驚いてしまうでしょう。今まで他人よりも心が遠い人同士がやり直すためには相当な努力が必要です。

人間関係すべてに共通することですが、相手から好感を持って欲しければ信頼関係を築く必要があります。そのためには、「ありがとう」「気が利くね」など相手を認め肯定する言葉をかけることからはじめましょう。相手を尊重できなければ愛情を持つことはできません。

近年熟年離婚が増えているのは、仮面夫婦が多い実態を証明していることに繋がっているのではないでしょうか。何らかの理由で離婚したいという気持ちを抑え続けて、仮面夫婦として家庭のために身を削ってきた人が老後は自分のために時間を使いたいと思うのでしょう。

愛情がない仮面夫婦の形は夫婦と呼べるのかとおもう人もいるでしょうが、夫婦の事情はそれぞれなので良いか悪いかを安易に他人が判断するべきではありません。当人同士が納得しているならそれが正しい答えですので、自分たちに合った結婚生活の形を見つけることが大切です。